ストリートで誕生し、世界のモータースポーツシーンで輝きを放つYeLLOW CORN。代表の杉田さんは、現在に至るカワサキZ・ニンジャブームの火付け役である。
東京と横浜を結ぶ総延長16.6kmの国道466線、通称「第3京浜」1980年代のバイクブームの中、週末の保土ヶ谷PAに全国から多くのライダーやカスタムショップが集まるようになる。有名ビルダーの改造マシンが集う輪の中心にイエローコーンのジャケットを纏うライダーがいた。日本一有名なライダーブランドはこうして誕生する。
90年代にストリートの伝説を数々残したイエローコーン。ROAD&TRACKをブランドコンセプトに掲げ、活躍の場をサーキットトラックに移行する。谷田部高速周回路での最高速アタック、テイストオブフリーランス(現在のテイストオブツクバ)の開催、RRCドラッグレースのバイククラス新設に尽力した。第一回テイストオブフリーランスではモンスタークラスで優勝、ドラッグレースではプロストックドラッグレーサーSLEDGE HAMMER(スレッジハンマー)は世界記録を次々と更新し、日本中のイエローコーン・ファンを熱狂させた。2000年には全日本ロード選手権に参戦、見事チャンピオンに輝く。2001年には全日本GT選手権のスーパーGT500に参戦、09年にはオリジナルフレームのZで空冷エンジン世界初の最高速300.9km/hを達成。名実共に世界最速の「戦うアパレルブランド」の地位を名実のものとする。その飽くなき挑戦は現在も続いている。
「2輪アパレル市場にはたくさんのブランドがあるので、皆さんがうちの商品を好きでいる必要はありません。アンチ・イエローコーンがいたって別にいいんです。むしろアンチの方がこちらを気にしてくれるでしょう?巨人のことが大嫌いな阪神ファンがいる野球の世界でも、相手チームの動向が凄く気になる。新規のライダーさんにも、とにかく名前を覚えてもらいたい。そうやってブランドってどんどん広がっていくものでしょう」
開業当初はカワサキ空冷Zの現役時代。ヨシムラやモリワキといったハードパーツを取り扱っていたイエローコーン。90年代にモーターサイクルウェアの世界を切り開いて、リアルなストリートブランドを構築。モータースポーツにも参戦し、戦うアパレルブランドのイメージを自らの手で構築した日本人は、恐らく杉田さん以外に存在しない。
不屈のアイディンティティー、実績と経験によって君臨する日本一有名なライダーブランド、YeLLOW CORN。日本を代表するモーターサイクルウェアとして、世代の二極化が進む国内のライダー達にも変わらず愛され続けるだろう。
代表取締役 杉田 均
1987年の創業から現在まで常に現場で第一線に立つ。
ストリートをプロモーションに使いその名を広めたのはあまりにも有名である。